60代 まーしゃんの日日是好日

微妙なお年頃と闘いながらも、フワッと歳を重ねたい日々の記録です

ご近所さん

夕刻、日が完全に暮れた暗い中

玄関のチャイムが鳴った。

 

出てみると近所のおばあちゃま。

「先日はありがとう」

と仰る。

 

ん?

鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしてしまった。

と思う。

 

お聞きすると、お香典の事だった。

三日ほど前におじいちゃまが亡くなられたと。

 

「すみません、何も伺っていませんでした・・・」

 

「お留守だったから、組長さんが立て替えてくださったのかもね」

と。

 

私の住む町には昔から「組」という制度があり、

何かあると、その組単位で行うことがある。

所謂「隣組」である。

 

(亡くなられたおじいちゃまは、この組の一番の長老だった。)

 

で、毎年持ち回りで「組長」という当番が回り、

お香典などを取りまとめてお渡しするお役目もあるのだ。

 

31年前、この町に越して来た頃は、

家に不幸があると、町内の集会所や自宅で葬儀を執り行っていた。

そして組内の住人は皆お手伝いに集まったものだ。

が、今ではどこのご家庭も内々で葬儀を終えるようになり、

その分、近隣のお付き合いもめっきり減ってしまったように思う。

 

そうそう、思い出した。

この家に引っ越してきて3日目に、組内のご自宅で葬儀があった。

 

我が家には1歳、2歳、4歳の3人の幼児。

「まだ来たばかりだし、子供たちも小さいのだからお手伝いはいいよ。

でも少しだけ顔を出してくれると、みんなと仲良くなれるかも。」

と言ってくださり、

小さな子を引き連れ、迷惑を承知で伺った。

 

引っ越して来て周りになじめるかどうか不安もいっぱいの時、

ご近所の方々は快く受け入れてくださり、

子供たちのことも覚えて頂き、

その後の生活が楽になった。

 

 

『ぽつんと一軒家』で暮らさない限りは

近隣の方々との気持ちの良いお付き合いは重要である。

都会でも田舎でも変わりないと思う。

 

人付き合いは面倒な部分もあるが、

気持ちを楽にさせてくれるものでもある。